木枯しキャッチャー。
久しぶりに風邪をひいた。先日映画を見に行ったとき、私の席の真後ろで小学生が映画の上映中絶え間なくひたすら咳をしていた。べつにその小学生のせいと決まったわけではないけど、もちろんそのときはカールじいさんは咳の持病を持っているという後付けの設定を加えて映画を楽しんでいたのだが、なんとなく喉が痛くなりだしたような気がするのはあれからだった。
ほぼ三日三晩寝込んだ。三日目にやっと起き上がり、コンビニに行きマルボロを購入し、外の喫煙所で一服したときは、強烈な目眩に襲われた。帰り道もなんだかカールじいさんの家のようにゆらゆら浮かぶように歩くしかなかった。
来年は願わくば風邪なんてひきたくない。
寒空キッス。
テレビでは毎日のように「今日はこの冬一番の冷え込みになるでしょう」と言っていたりいなかったりしていて、今年も去年と同じように冬はやっぱり寒く、一日の終わりにつかる風呂だけが楽しみになりつつある。寒いのはまだ北出身ということもあり、たぶん許せるけど、この唇が乾くのがなんとかならないだろうか。リップクリームを塗ってはみるものの、その力が尽きると空気の抜けた風船のように萎んでいってしまう私の唇。こういうもんなのだろうか。
そういえば夏によく出没していた近所の遊歩道の猫も最近見かけなくなった。どっかの家の軒下にでも入って北風を凌いでいるんだろうか。
師走イエロー。
師走とはよく言ったもので、12月に入って仕事がちょっと忙しくなってきた。忙しくなるときに限って、ニュース等を見てみると政治が面白いことになってたりして波に乗れずにちょっと悔しかったりする。そんなに政治詳しくはないけど、現政権のやり方は、いろいろメリットをちらつかせながら、実はそのメリットを実行する金と人脈ないので、できませんでした、そもそも言うだけでやる気はなかったという、なんというか大人の嫌なところを凝縮した様なやりかたでいやな感じがする。しかし、否定だけではなにも始まらず、まんまと増税されなんかわかんないやつらに金を取られていく。だから何ができるかというと、嶋幸作ほどの女運も、金太郎ほどの金運も、カイジのような博打の運も、ゴルゴみたいな暗殺のスキルも、007みたいなスパイのスキルも、全て持ち合わせておらず。ただ、会社に行って、飯を食って寝るしかできなかったりする。
子供アゲイン。
歯医者に行った。このところ何度か通い、今日が最終日、のはずだった。小さい虫歯になりかけの歯をちょちょいと直し、歯石取りの仕上げをして終わる予定だった。一本目はよかった。痛みも無く、ものの3分ほどで樹脂を詰めるところまで行った。問題は二本目だった。ドリルを手にした歯医者の表情が曇った「あれ、思ったよりちょっと深いぞ。」呟きながらドリルをまわす、「キンッ」となにか凍みる様な衝撃が脳の中を走る。思わず「あ」と声を出した。ここで麻酔を注射し再度ドリルの餌食に。「あ、深い深い」歯医者が呟く。「ああ、インレーだな。樹脂だと塞ぎきれないんで金属にします。」その言葉を聞き、私は絶望に打ちひしがれた。また歯医者からの卒業が一週間延びたこともそうだが、金属を入れるときは麻酔無しでエアーで患部を乾燥させなければならなく、これが非常に滲みる。そんな絶望している私をよそに歯医者は二本目の麻酔を打つ。三度ドリルの餌食に。さすがに二本も打って首までしびれてるので痛みは感じなかった。大人になって、このような痛みや絶望とも向き合えることになったのは成長したということだと思う。ただ、歯医者の消毒液が焦げたような匂いやドリルの音に対する嫌悪感だけは子供の頃から何も変わっていないことだったりする。



